2012年3月10日土曜日

制作会社でのカラーマネジメントの思い出

あかねさんがこだわりはほどほどに。を書かれていた。で、彼女の場合は最終印刷物(印刷機の色)をターゲットにして、その前のカンプ出力機を全部同じ(印刷機の)色で出力できるように、というコントロール。まぁこれをやるにはX-Riteといった反射濃度計で測定し、ターゲット数値とカンプ出力機の数値を補正するのだが、これは反射濃度計の精度に依存するし、それなりの設備投資が必要になってくる。

自分がX-Riteを初めて使ったのは15年くらい前。オンデマンド印刷機を運用する都合上、測定したものの全く持って当てにならなかった。。。結局、四苦八苦しながら目視で色を合わせていた。合わせたものの当時のオンデマンド印刷機の色の変化はカラープリンタの比ではない。刷っているうちに色が変わってくる(カラーマネジメントの意味ないじゃん!)。とはいえ、これがカラーマネジメントとの最初の出会いだった。

その後、制作会社に移ってカラーマネジメントをする必要がでてきた。カラープリンタのゲラを校正紙として顧客に提出するのだが、営業がクライアントに「カラープリンタと印刷の色は違いますよ」と伝えても、顧客はカラープリンタのゲラに色修正の赤字を入れてくる。本当にそう伝えているのか、こちらは分からない。まして仕事を出している製版会社の営業の方だ。

こうなると可能な限り、カラープリンタの色を印刷の色に近づけなければならない。会社にX-Riteはない。あったとしても当てにしなかっただろう。

自分がターゲットとしてたのはDIC セルリング型カラーチャート
要は10%の色は正確に10%で!ということだった。
カラーチャートをスキャンし下絵にしてIllustratorで同じものを作成→プリントして隣に置き、色を比べる。
非常~に原始的なやり方だった。

会社にあったプリンタはDocuColor1250。トーンカーブがいじれた。
まずトーンカーブをいじりCMYK各色の濃度が正確に出るように合わせる。
次にC+M、C+Y、M+Yの掛け合わせの色をチャートを出力して微調整。
最後にC+M+KのようにKの混じった色で確認。
これらの作業は仕事中はできないから休日出勤で丸一日かけて作業した。

プロファイルなるものは当時もあったが、これとて正確に色が出力されてこそ活きてくる。まずは濃度に合った色を出力させることが第一歩。

やってみれば分かると思うが、トナーの色とインクの色の違いはどうにもならない。それを近づけるためプロファイルがあったのだが、トーンカーブをいじったものはプロファイルになってしまい、プロファイルにプロファイルを適用することはできなかった(当時)。

やってるうちに分かってきたのがベタ濃度の重要性。ベタ濃度が違ってると各色濃度が合っていても掛け合わせの色が違ってくる。掛け合わせの色が違うということはベタ濃度を変更して一から作業のやり直しとなる。この時ほど反射濃度計が欲しいと思ったことはなかった。

それでもやればやっただけ返ってくるのが色合わせ。カラープリンタゲラと出力センターで出したDDCPの色の見分けがつかないほどバッチリあった時の嬉しさはいまでも覚えている。とはいえ、こだわりはほどほどに^^

0 件のコメント:

コメントを投稿